
六浦荘団地のリノベーション現場では、木工事が進み、
室内の壁や天井にボードが張られました。
これまで「骨格」だった空間に、ようやく“部屋の輪郭”が見えてきました。
築50年以上の六浦荘団地。
古いコンクリートの構造を生かしながら、
新しい木の下地を組み、断熱や配線を整え、
そして、ボードが張られて空間がやわらかく閉じました。
まだ仕上げ前の状態ですが、
部屋の大きさや天井の高さ、光の入り方がはっきりと感じられるようになり、
「暮らしのかたち」が少しずつ見えてくる時期です。
コンクリートの冷たさの上に、新しい木のぬくもりが重なり、
さらに石膏ボードが貼られることで、空間は“住まいの表情”を帯びていきます。
昭和の構造体と、令和の素材が静かに共存していく様子は、
まさに“時代をつなぐ工事”そのものです。
現場には、木の香りと石膏の粉の香りが混ざり合い、
金づちやインパクトの音が響いています。
職人の手によって、一枚一枚丁寧に張られたボードが、
これからクロスや塗装で彩られ、
新しい暮らしの舞台へと変わっていきます。

